


手袋は片方だけなくすことが多いのだ
冬の自転車装備と言ったら、なんつってもグローブ、つまり手袋なわけだが、どうしてますか。
どうしてますって、普通にグローブを着けるのが当たり前なんだが、なくしませんか? 私はなくす。すぐになくしてしまうのであります。
こういうね、手袋や、靴や、靴下や……、という、いわば「ペアもの」をなくして悲しいのは、片方では何にも役に立たないことだ。いっそのこと両方いっぺんになくすのならば、あきらめがつくというもんだが、ところが、手元に片方残ってしまうと、その片方を……、なんてこと、結局、捨てねばならない。
私のように貧乏性の人間は、これができないのだ。あまりに悲しすぎて。
まだ使える、いや、使えるどころか、場合によってはピカピカのままの片方を、ゴミ箱に投げ入れるなんて……、本気の話、私には到底できない所業である。で、結局、押し入れの片隅に放り込み、そのままになる。そのまま消えてしまってくれと思う。ついでに忘れてしまいたいとも思う。
だが、そうもいかない。
だからして、手袋はなくしたくないのだ。だが、やはりなくす。ならば、なくしてもダメージの少ないものを選びたい。
というわけで、コンビニ手袋なのだ。
コンビニ手袋が自転車仕様になった
コンビニ手袋とは、その名の通り(というか、私が今名付けた)コンビニで売ってる防寒手袋のことで、大抵は800円から980円の間で売っている。
黒地で綿も入っていて暖かい。もちろん安いから、なくしてもさほどのダメージがない。また、ちょうどワンシーズンで、きっちりと手のひら部分が破れてくれるから(そうでなくとも劣化してくれるから)、捨てるに際しても、良心の呵責が少ない。
自転車通勤を始めてもう16回目の冬だ。
私は10年前あたりからこっち、ずっと冬場はコンビニ手袋で過ごしていた。
ところが、昨今、事情は変わってきた。
コンビニ手袋のクオリティが、とみに上がってきたからである。ためしに980円あたりで買ってみるといい。手のひら部分は最初からゴム状のもので補強されていて、ハンドルに当たる部分から布地がほつれていくというようなことがない。
おそらくここ数年の自転車通勤ブーム(震災以降というわけじゃない。それより前から)に対応したのだろう。
顧客満足度において他者の追随を許さない、日本のコンビニ各社である。手袋はあっという間に自転車仕様(というか自転車に使っても大丈夫)になり、つまりはワンシーズンでぼろぼろになってしまっていたものが、ちゃんともつようになった。
翌年も、その翌年も……。となると、やはりなくすのだ。なくして手元に片方が残るのだ。残った片方はやはり悲しいのだ。
私はそこで気づく。安かろうが、何だろうが、良心の呵責にはあまり関係ない。要は「まだ使えるモノを捨てざるを得ない」のがタマランのである。
コンビニ軍手は天寿を全うしてくれる
そういうわけで、私が次に打った手は「軍手」であった。誰もが知るように、最も安い軍手はそれはそれは安い(1組30円〜40円程度。なぜここまで安くできるのだ?)。が、ただの軍手はハンドルを握っていて、滑る。ここしばらく私は革巻きのグリップを握っているんで(その前は竹製グリップというもっと過激なのを使っていた)、軍手そのままでは滑って役に立たない。
で、選ぶべきは、またもやコンビニ。200円程度で売っている「プチプチ付き軍手」なのだ。
これはいい。役に立つ。そもそもで言うなら、しょせん首都圏程度の冬の寒さ、軍手で十分である。プチプチがついていれば、滑るようなこともほぼない。
で、ワンシーズン使うと、手首の部分のゴム編みが、見事にへたってくれる。で、プチプチ軍手は、防寒手袋としての現役から、メンテナンス用(つまりチェーンを掴んだりして真っ黒になる)の軍手に変身してくれて、何度か洗ったら、ラストはボロボロ、ヘタヘタになって天寿を全うしてくれる。
ワンシーズンわずか200円。実に素晴らしい。
ヘヴィ・ルーザーに黒のプチプチ軍手を
で、私としては1つだけ提案がありましてね。
ここはひとつ、黒い軍手を作ってくれないだろうかということなのだ。普通に白地に黄色のプチプチでも、別に悪かぁないんだが、ま、どこから見ても、いかにも軍手、しかも汚れが目立つ、というヤツで、有り体に言うなら、ちょっと格好悪いし、ビンボ臭い。
それでもいいのだと開き直るなら、別にそれはそれで男らしくていいんだが、いや、しかしね、ただ単に、軍手が黒ければ、ことは全面解決にいたるのだ。地は黒、して、プチプチゴムはパープルなんかだと、ちょいとお洒落ですらあるぞ。
そして、こうした軍手のいいところは、マスプロ、すなわちすべてが同じであることだ。何のことかというなら、うっかり片方なくしたとしても、もう片方は、別の片方を買ってきて使えるということなのだ。
もちろん右手と左手は違う。
しかしながら、右手と左手、なくす確率は双方50%である。ということは、私のようにしょっちゅうグローブをなくす人間は、長年の間で、左右がいつの間にか均されて、結局同じになるのだ。
いや、私のようにヘヴィ・ルーザーになると(ヘヴィ・ユーザーに非ず)、こういうソリューションは非常に有効なのである。え? ヘヴィ・ルーザー、負けっ放しの負け犬って? ま、似たようなものだ。







