アメリカのアトランタに本拠を構えるブルー・コンペティション・サイクルズ。レースという実戦の場にバイクを積極的に投入することによって、そのフィードバックを製品作りに大きく生かすブランドだ。事実、ブルーのバイクはアメリカ国内外を問わず数々のタイトルを獲得し、さらには世界選手権、オリンピックといったワールドクラスのレースにも出場、UCIワールドカップの表彰台も経験している。社名に 「competition cycles (=競技用自転車)」 との表記が入るのは、決して伊達ではないのだ。
そんなブルーのカーボンフレームは独自の製法で作られている。カーボンチューブの製造過程において、カーボンの中に含まれる気泡の割合、すなわち空孔率を低くすることは極めて重要だ。一般的なカーボンの成形には、金型に入ったカーボン素材の中にエアバッグ (空気で膨らませた風船の芯材) を入れ、それを高圧で膨らませることで圧力をかけ、カーボン繊維間の空孔を減らす工法をとる。しかしブルーのカーボンフレームに採用されているカーボンチューブは、F1マシン製作にも用いられる技術、ハイパクト製法 (HIPACT/High Pressure Solid Compaction) を採用する。これは、従来のエアバッグの代わりにモールド成形された固形の芯材を使うことで、カーボンファイバーをより高圧で密着させ、空孔率の低下を可能にするというテクノロジーだ。自転車カーボンフレームを作るうえで、通常の製法に比べてどれほどのメリットがあるのかは専門外の僕には分からないが、これによってカーボン繊維間の密着度をアップさせ、高い剛性と軽さの両立を実現しているのだという。
ブルーのトップモデルが今回登場するRC8。ハイモジュラスカーボンパイプをカーボンラグで繋ぐ手法で製作され、もちろんハイパクト製法を採用。外ラグ式のフレームで、トップ・ダウンチューブはリブのような形状を残しつつ横方向に扁平されている。シートステーのカーボンの造形自由度を活かしてフィン加工されており、目を引く特徴的な造形となっている (機能的に意味があるのかは疑問だが)。エンドはしっかりとした造りながら細かく切削され、丁寧なディティールは好印象だ。トップチューブ505mmというXSサイズからのラインナップも小柄なライダーや女性には嬉しいポイントだろう。 |