少なくとも、コスプレ用のプロチームレプリカではないだろう。パーツアッセンブルもカラーリングもプロチーム仕様とは異なるし、そもそも規定最低重量の6.8kgを大きく下回る5.5kgではUCIレースに出場できない。
ブランドイメージ戦略の結果として出現したモデルだろうか?プリンスカーボンの115万、コルナゴ・エクストリームパワーの168万、デローザはキング3で165万、スペシャライズド・ターマックSL2は105万、スコット・アディクトリミテッド157万…
「むむ、ならばウチもだ!」 とキャノンデール・バイシクル・コーポレーションの商品ビジネス戦略企画部長あたりが1万ドルオーバーのコンプリートバイクを欲した、という可能性は否定できないと思う。実際、メーカーの技術力を誇示するための特異な存在として 「キャノンデールロードの象徴」 というイメージリーダーとなりブランド力を鍛えるという働きもするだろう。バンバン売れて利益をもたらすクラスの商品ではないが、キャノンデールのロードラインナップに 「ハクが付く」 のは確かだ。
あるいは単純に、キャノンデール社のランチタイムライドで交わされた、好き者エンジニア同士の 「我々のスーパーシックスにレッドとZIPPをブッ込んだら面白いことになると思わないか?」 なんていう、いかにもアメリカンな、実にキャノンデールらしい、ビジネス的ブランド戦略などは全く関与しないところの無邪気な会話から始まったプランなのかもしれない。
どちらにせよ、実際に走り出した今となっては、もうどうでもいいことだ。このスーパーシックス・アルティメイトの鋭い加速、敏捷な動き、確かにそれはライダーの平常心をいとも簡単に奪い去ってしまう、まるで小さなロケットのようだった。 |